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角川書店:ぼぎわんが、来る/澤村伊智

ぼぎわんが、来る

▼ P.180 ▼

「でも、なんていうか、運とか、偶然とかは、確実に悪いほうに転がりますよ」真琴ちゃんは言った。どういうことだろう。わたしが訊くと、彼女はしばらく黙って、「みんな知らない間に、結果的に、悪いほうに動いちゃうっていうか。わたしは、具体的に誰が、どう動いたかまでは分かりませんけど、悪く動いてるかどうかは何となく分かります」

▼ P.239 ▼

「昔から人間は考えていた。自分そっくりのモノは恐ろしいと。見てはいけない、見たら死んでしまうとするら言い伝えていた。それは何故か?今の俺には分かる。少なくとも、分かる気がします」一呼吸置いて、「それは――自分の醜さや、おぞましさや、弱さや愚かさを目の当たりにするのは、耐え難いほど苦痛だからです。先生を見ていてイヤというほど分かりましたよ。おかげさまでいま最悪な気分です」拍子抜けした表情の唐草に「どうもありがとうございました」と慇懃無礼に言い捨て、俺は研究室を出た。

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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