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金の星社:高安犬物語/戸川幸夫

高安犬物語

▼ 高安犬物語 ▼

この犬がチンだった。この辺りの人は犬には無造作にチンと名づける。仔犬の時に貰ってきてチンコロだからというのでチンと呼んでいるうちに仔犬はいつしか成犬になりチンはそのまま呼び名になってしまうのだ。この犬もチンと呼ばれていた。

「どがな犬でもなシ、いぎなり熊サぶっツけては怖がってなシ、 * 初めは熊の臭いだけで駄目なもんだズ。そんで牛肉買ってきて、こえつを食せて生肉に馴らして、馴れたら生肉サ熊の油、塗ってやるんだス。熊の臭いに馴れたら本当の熊の肉を食せてなシ、それがら半殺しの熊サ掛けるのだス。死にかけていでも熊は荒れえがら犬みッとパッと叩ぐから鈍な奴んだらこれで駄目になってしまうのよス。暫くして先輩犬サつけて山サ行って実際に熊サしかけるンだげんども、熊の姿みっと尻尾を股サ挟んで動かねもんだス。それを鉄砲でよシどやしつけでムリムリかけんだス。 * 熊が逃げッと追っかけて後肢さ食みづくんだス。 * こいつをくり返して主人が仕留めるまでもだすのだぜス。 * ほんねなス、千匹に一つもねえかもすんにエス」

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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