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河出書房新社:おらおらでひとりいぐも/若竹千佐子

おらおらでひとりいぐも

▼ P.45 ~ P.47 ▼

「だから、おれおれ詐欺になんか引っかかるのよ」「母さんはわたしのことなんか……」耳元で大きな音で電話が途切れた。 * それにしても、どうしてこうも似るのだろう。「母さんはお兄ちゃんばかりをかわいがる」それが直美の本当の不満だった。

▼ P.50 ~ P.51 ▼

山姥は大母ののちの姿である。大母とは何か。子供を大事に大事に育てた母親のことである。大事に育てたのに、子供の命を呑み込んでしまったのではと恐れる母親のことである。 * 母親としてしか生きられなかった。直美、母親は何度も何度も自分に言い聞かせるべきなんだと思う。自分より大事な子供などいない。自分より大事な子供などいない。自分がやりたいことは自分でやる。簡単な理屈だ。子供に仮託してはいけない。仮託して、期待という名で縛ってはいけない。

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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