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朝日出版社:仏像のひみつ/山本勉

仏像のひみつ (235x300)

▼ 仏像たちにもソシキがある! ▼

とりあえず、仏像のグループは四つです。
一、如来
二、菩薩
三、明王
四、天

だいたいこの順番がえらい順番と思ってもらえばけっこうです。

如来のからだのひみつ たとえば、足の裏がひらべったい(偏平足ってやつですね)、その足の裏に模様がある、手にも足にも指のあいだにカエルみたいに水かきがある、ふつうに立っていても膝に届くくらいに手が長い、なんていうのは、やってできないことはないけれど、歯が四十本ある、とか、舌が顔よりも大きい、とかは実際に彫刻や絵にすると、ちょっと気持ちが悪いかもしれません。

五つの指のしるし 人びとに「願いをかなえてあげる」という意味でてのひらを上に向けて指を全部のばすかたちや、「こわがることはないよ」という意味でてのひらを正面に向けて立てるかたちがあります。

薬師如来像 薬師如来は、釈迦のように、実際にこの世界に生きていた人ではなくて、お経の中で考え出された人です。東のはての浄瑠璃世界(瑠璃という青い宝石が地面に敷きつめられた、それはきれいなところらしいですよ)というところに住んでいるのだそうです。 * 姿かたちは前の釈迦如来像とほとんど同じですが、膝の上に置いた左手に、ふたのついた壺をのせています。

阿弥陀如来座像 西のはての極楽浄土(ゴクラクっていうことば、使いますよね。楽しくって楽しくってしょうがないところっていう意味です)に住んでいるというのですが、この像の、両手をひろげて、それぞれ親指と人さし指をつなげた姿は、阿弥陀が極楽からこの世に人びとを迎えにくるところをあらわしています。

大日如来 マンダラには、胎蔵界マンダラと金剛界マンダラの二つの種類があります。 * 胎蔵界マンダラは、画面の真ん中に大きく開いた蓮の花があって、その中心に大日如来がいます。 * 金剛界マンダラのほうは、画面が九つの四角に分かれています。上の段の真ん中の四角には、丸にはいった大日如来一体だけを描いています。そのほかの四角には丸にはいった、たくさんの仏像を描いています。よく見ると、それぞれの四角の中心にも大日如来がいるのが多いんですよ。 * 金剛界マンダラの大日如来は胸の前で右手の人さし指を左手でしっかりと握る、特別な手のかたちをしています。

菩薩 菩薩の姿は、まださとりをひらく前の釈迦がモデルですから、古代インドの貴族のかっこうです。 * ただし、地蔵菩薩だけは頭を丸めたお坊さんのかっこうをしています。

三尊像 「尊」というのは仏像のことです。釈迦如来の両脇に普賢菩薩と文殊菩薩をならべた釈迦三尊、薬師如来の両脇に日光菩薩と月光菩薩をならべた薬師三尊、阿弥陀如来の両脇に観音菩薩・勢至菩薩をならべた阿弥陀三尊などが、代表的な三尊像です。

▼ 仏像にもやわらかいのとカタイのがいる! ▼

やわらかい材料でできた仏像には、銅でつくる銅像(金銅仏)、粘土でつくる塑像、漆でつくる乾漆像などがあります。かたい材料でできた仏像には、木でつくる木彫像、石でつくる石像(石仏)などがあります。

塑像 次は塑像です。粘土(塑土)でつくった像のことです。

▼ 仏像もやせたり太ったりする! ▼

時代によって仏像のからだつきがちがう、っていうことは、それぞれの時代の人たちが、人間のからだのかたちはどんなふうだと思っていたかがちがう、ということなのです。 * まず太っているかどうかです。 * 飛鳥時代の七世紀ごろは背中がペッちゃんこ。おなかも出ていません。つぎの奈良時代(八世紀)は、とてもバランスのよい、少しだけ横に長い楕円形です。ところが、平安時代はじめ(九世紀)の仏像は、まんまるです。 * ここまでの変化は中国の仏像の変化といっしょです。これが平安時代の後半(十一世紀)になるとびっくり。すごーく横にひろい楕円形になります。からだの奥行きがなくなっちゃうんです。これはどうでも中国からおそわったものではなくて、日本だけの変化みたいです。 * そして、鎌倉時代(十二世紀末~)にはまた大きな変化がおこります。こんどは縦のほうがちょっと長いくらいの楕円形になります。からだの奥行きが深くなるのです。

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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