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早川書房:悪童日記/アゴタ・クリストフ

悪童日記

▼ おばあちゃんの家に到着する ▼

「おまえ、ほかの子はどうしたんだい?」おかあさんが問い返す。「ほかの子って、どういうこと?」「牝犬は一度に、四、五匹、産み落とすのがふつうだよ。一、二匹は生かしてやって、残りは水に溺れさせるもんじゃ」

「敷布に毛布じゃと! 真っ白いシャツに磨き上げた靴じゃと! わしゃ、これからおまえたちに、生きるっていうのはどういうことか教えてやるわい!」

▼ 労働 ▼

「そういうわけじゃないよ。仕事は辛いけれど、誰かが働いているのを何もしないで見ているのは、もっと辛いんだ。ことに、その働いている人が年寄りだとね」

▼ 監獄で ▼

食事の途中、おばあちゃんが言う。「わしゃ、どうしておまえらがあの女を殺す気になったのか、何としても腑に落ちんのだがね? まあ思うに、おまえたちには、おまえたりなりの理由があったんだろうね」

▼ おかあさん ▼

従姉が町から帰ってきて、訊ねる。「何かあったの?」ぼくらは言う。「うん、砲弾が落ちてね、庭に穴が空いたんだ」

▼ おとうさんの再訪 ▼

「さあどうぞ、おとうさん。次の警邏隊がここに着くまで、ニ十分あります」 * そう、国境を越すための手段が一つある。その手段とは、自分の前に誰かにそこを通らせることだ。手に亜麻布の袋を提げ、真新しい足跡の上を、それから、おとうさんのぐったりした体の上を踏んで、ぼくらのうちの一人が、もうひとつの国へ去る。残ったほうの一人は、おばあちゃんの家に戻る。

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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