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朝日新聞出版:星の子/今村夏子

星の子

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「あそこに変なのがいる」 * 「変なの?」「あれだよ。ベンチのところ」 * ベンチにはふたつの影があった。そこにいるのはわたしの父と母だった。「あれ?あれって……」と新村くんがいった。わたしの目はベンチにくぎづけだった。「二匹いるな」と、みなみ先生がいった。母は水の入ったペットボトルを持っていた。おもむろに手を伸ばし、隣りに座る父の頭の上の白いタオルに、その水をチョロチョロかけてやっていた。 * わたしには、そのすべてが見慣れた光景だった。それなのに、はじめて見たと思った。

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プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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