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新潮社:ザ・ロイヤル・ファミリー/早見和真

ザ・ロイヤル・ファミリー

▼ 第二部 家族・夏 ▼

「いえ、出走するだけではありません。絶対に勝ってください。『いつの時代も、息子は父を超えていかなければならないもの。馬も人間もそうやって今日まで反映してきた』。帝王学などという立派なものではありませんが、それが、父が僕に繰り返し伝えてきたことでした。みなさんのお力で超えさせてください。ロイヤルファミリーはロイヤルホープを超えなければならないのでしょうし、僕は山王耕造を超えなくてはならないんです。その言葉を、ここに集まってくれたみなさんに共有していただきたいと思っていました」

講談社ノベルス:少女は踊る暗い腹の中踊る/岡崎 隼人

少女は踊る暗い腹の中踊る

▼ P.442 ~ P.443 ▼

人骨の黒焼き売っとったやつ」 * 「黒焼きいうてもただ焦がすだけじゃねえらしいんじゃけどな、密封して蒸し焼きとか、結構色々テクいるらしい。そんでそれ砕いてすり潰して炭やら混ぜて売りさばいとったらしいわ。大須磨でな。結構有名人よ。死ぬまでに何べんも逮捕されとる。最後に逮捕されてから、確か三十年も経っとらんはずじゃ。人間の骨やら肝やら薬になるって信仰、根強く残っとったからな……そいつが扱っとったの、確か骨だけじゃなかったと思うで――」

光文社:平場の月/朝倉かすみ

平場の月

▼ 六「日本一気の毒なヤツを見るような目で見るなよ」 ▼

須藤はストーマの扱いにてこずっていた。須藤の装具は土台と袋が分かれていた。土台は中央に穴の空いた肌色の平たいもので、輪っかのあるほうが表。裏は密着面。ストーマを穴から出し、土台を皮膚に密着させたら、輪っかと便を受ける袋を嵌め合わせる。溜まった便は袋の下部にある排出口から押し出してトイレに流す。排出口をトイレットペーパーで拭き、マジックテープを留める。装具の交換はケースバイケースだが、おおむね三、四日に一度と経験者のブログに書いてあった。袋は便を押し出してほぼカラにしたら、新聞紙かなにかで包み、それをポリ袋で入れ、口をしっかり縛って捨てる。土台も使い捨てだ。皮膚を傷つけないよう、ゆっくり剥がすのがポイントらしい。

祥伝社文庫:愚者の毒/宇佐美まこと

愚者の毒

▼ 愚者の毒 ▼

バブルとは、資産価値が理論的価値を越えて大幅に上昇することだったと、後で総括されたが、まさに加藤の生き方そのものだと思う。実態のないものを虚構で固め、粉をまぶし、大仰に掲げる。人々がそれに食らいつくのを詰めたく見やったのち、叩き割る。人間の感情さえ彼を増長させる原資でしかなかった。 * 全く真逆な自分を演じることに長けていたし、それを楽しんでいた。

双葉社: うるはしみにくし あなたのともだち/澤村伊智

うるはしみにくし あなたのともだち

▼ P.287 ▼

もう一枚は便箋だった。 * <倉橋のぞみが美人になりますように もう二度とこんなことをしないような美しい顔になりますように 今まで騙してごめん 本当にごめんなさい かほちよにいきるすべなきもののわざたえてのろはむうるはしみにくし> * わたしは犯人ではなかったのだ。

光文社文庫:奇譚を売る店/芦辺拓

奇譚を売る店

▼ 帝都脳病院入院案内 ▼

――また買ってしまった。 * どうやら古本屋というものは、一種の魔法というか詐術を心得ているらしい。いつもまんまとそれに引っかかってしまう。そうだとわかっていても、生きると同じくらい本を買うことが惰性となっている身としてはしょうがないのだった。

祥伝社:まち/小野寺史宜

まち

▼ P.164 ▼

「東京に来て、人と交われたか?」 * 「瞬一は、頼る側じゃなく、頼られる側でいろ。いつも頼ってたおれみたいな人間じゃなく、おれに頼られてた摂司みたいな人間になれ。お前を頼った人は、お前をたすけてもくれるから。たすけてはくれなくても、お前を貶めはしないから」

角川書店: 祭火小夜の後悔/秋竹 サラダ

祭火小夜の後悔

▼ 第1話 床下に潜む ▼

「簡単ですよ。あれは、床板を再び表にはできないんです」

▼ 第2話 にじり虫 ▼

「ああ、やはりそうでしたか。それなら平気です。きっと、にじり虫です。もしもムカデじゃなくて蚕だったら大変なことになっていましたけど、ムカデのような姿なら平気です」

▼ 第3話 しげとら ▼

しげとらというのは、人間と取引をする存在です。食べ物でも、お金でも、その人が望むものを与えます。どこまでのものを用意できるかはわかりませんが、大抵のものは与えられるという話です。様々な姿をしており神出鬼没であるため、遭遇するかどうかは運ですね」 * 重さの『しげ』に取られるの『とら』で『しげとら』ということらしい。

▼ 第4話 祭りの夜に ▼

「兄は、鳥が見えたのです。普通の鳥ではありません。人語を解する、大きな鳥。山の方角から飛んできて、自宅の庭先にあるカシの木によく止まっていたそうです。その鳥は兄だけに語りかけて、ほかの誰にも見えない。祖父や祖母、私にも見えませんでした」

KADOKAWA:スワン/呉勝浩

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▼ P.352 ~ P.353 ▼

「おまえ、バレエをやってたな。あと三秒で、膝をぶっ壊してやる」心臓がぎゅうっと締めつけられた。吐き気がした。 *  「……いうと思う」「あ?」「膝を叩かれたら、いうと思う。あなたの言葉どおりに」ごめんなさい、早く小田嶋を殺して――。「だから――。膝を叩かれるまではいいません」

徳間文庫:藻屑蟹/赤松利市



▼ P.130 ~ P.131 ▼

「本来避難民は、脱原発、原発反対を、身を以って、声高に主張できる立場にあったはずです。しかし現在彼らが主張しているのは、保証金の継続です。そんな彼らを、脱原発派の人間が仲間として認めるのは難しい」「そこまで計算して、高額な補償金が手当てされたということなのか」思わず赤崎に詰め寄っていた。

講談社:歪んだ波紋/塩田武士

歪んだ波紋

▼ ゼロの影 ▼

大きな胸は中学生のころから抱くコンプレックスだ。ごく普通の容姿を持つ女として、結婚までの一時期は武器にしたこともある。だが、子どもを産んだ後にさらにサイズアップし、目立たない服を選んでも隠しきれなくなった。周囲の無遠慮な視線、慢性的な体の張り。何より風呂に入るときに鏡で見る。形の崩れた乳房を目にするのが嫌だった。世間が能天気に使う「巨乳」という言葉に苛立ち、本気でバストの縮小手術のサイトを見ているときもある。

集英社:青少年のための小説入門/久保寺健彦

青少年のための小説入門

▼ P.356 ▼

「ぼくは、小説は可能性の束だと思ってます。ポール・オースターが作品の中で、小説の中心はいたるところにあって、結末を迎えるまで円周は描けない、という意味のことを言ってます。編集部はもちろん、作家さんも、書き終わるまで作品の全体像はつかめない。本当にすぐれた小説とは、そういうものじゃないでしょうか」

角川ホラー文庫:などらきの首/澤村伊智

などらきの首

▼ ゴカイノカイ ▼

「ほらよく言うじゃん。こういうことがあるとさ、死んだ人の霊が『いる』とか何とか。そもそもの話だと、土地には神様が『いる』とか。みんなそんな風に考える。そこからもう勘違いしてんだよ。いるなら出て行ってもらおう、無理なら成仏させよう、それも無理なら大人しくしてもらおう、って対処法になる。当然ぜんぶ間違ってるわけ」 * 「正しくはこうさ――この場にいると、人間は調子が悪くなる」 * 「ここだけに限らない。こういうの全般がそう。あくまで場所と人間の問題だ。場が人間にどう影響するかってだけの話。なのに霊とか神様とか、余計な概念を持ち込むからややこしいことになる。勘違いする。間違う。そして解決できない」

「あなたの飛ばした『痛いの』が、ぜんぶ五階に『飛んで来た』んですよ」

▼ 学校は死の匂い ▼

「わたしの組体操なんか嫌いだよ」自棄になって口走る。鼻先で彼女が止まった。はっきりしない目でじっとこちらを見ている。 * 「もう合わせなくていい。好きに死になよ」不鮮明な顔がゆっくりと、小さくうなずいた。

▼ 居酒屋脳髄談義 ▼

晴海は平然と、「子宮に対応する男性の器官は何ですか?」と訊いた。 * 「前立腺ですよ」小崎を真っ直ぐ見返して、晴海は低い声で言った。小崎はあんぐりと口を開けたまま固まる。「ご存知ないのも、脳髄論を応用すれば説明ができます。小崎さんの前立腺もまたペテン師である――脳と同じように、自分について考えさせないようにしている、と」晴海はそう言って、かすかに笑みを浮かべた。

河出書房新社:神前酔狂宴 |/古谷田奈月

神前酔狂宴

▼ P.110~ P.111 ▼

結婚するのは二人なのになぜ「ご両人」ではなく「ご両家」の披露宴となるのか、新郎新婦の親族たちはなぜ宴中延々と主賓たちにビールを注ぎ続けるのか、なぜ締めの挨拶に当人たちだけでなく両親まで並ぶのか、なぜ女性たちや新婦側の人々は押し黙り、新郎と新郎の父だけが謝辞を述べるのか――これまではただそういうものとして眺めていただけの形式が、倉地の言葉でようやく一応筋が通った。浜野が毎週立ち会っているのは二つの家が一つになることを祝う宴であり、また、男が女を家ごと飲み込む現場なのだった。 * 婚礼というものはつくづく新郎及び新郎の家が上という考えのもとに構成されていた。これもいつか倉地に聞いたことだったが、日本は伝統的に左上位である、よって神前式では新郎が左に立つ。 * 左上位というのは神殿から、神様の目線で見て左のことだと教えてくれた。 * つまり日本の婚礼において、新郎に優越するのは神だけなのだ。


飛鳥新社:夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神/水野敬也

夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神

▼ P.192 ▼

「世界とはつまり、そのような場所なのですよ。感動するために、忘れて来るのです」

集英社:闇夜の底で踊れ/増島拓哉



▼ 39 ▼

俺はレンタカーからシャベル――西日本では大型のものをシャベル、小型のものをスコップと呼び、東日本ではその逆である、というのを昔、山本さんから聞いた――を取り出し、穴を掘り始めた。

創元推理文庫:ベンスン殺人事件/S・S・ヴァン・ダイン(訳 日暮雅通)

ベンスン殺人事件

▼ P.302 ▼

「キリスト教は、建築だけで価値を証明していると言ってもいいね。いくつか例外はあるが、この街で目ざわりにならない建物といったら、教会やそれに類するものだけだ。アメリカ人の美学的信条は、大きいものなら何でも美しい、なんだからねえ。そこらの摩天楼(:スカイスクレイバー)とかいう、四角い穴がいくつもあいたばかでかい箱を、アメリカ人はただ巨大だからっていって奉る。横並びの穴の列が四十段重なった箱なら、二十段の箱の二倍の美しさ、ってわけだな。単純な公式だねえ?……通りの向こうの、わずか五階建てのものをご覧よ。この街のどんな摩天楼より、はるかに美しい――それにずっと印象的でもある……」

朝日新聞出版:むらさきのスカートの女/今村夏子

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▼ P.86 ~ P.87 ▼

ほとんどのスタッフが、ホテルのロゴが描かれたシャンプーボトルを自宅の風呂場に常備しているはずだ。みんなの頭から毎日同じ匂いがする。フレッシュフローラルの香りを振りまいているのは、むらさきのスカートの女だけだ * 「ねえ、どうして日野ちゃんはうちのシャンプー使わないの?」 * 「そのシャンプー、匂いがちょっと……」「匂い?」「はい。魚介類みたいな匂いしません?」「そうかな」「しますよ、魚みたいな、生臭い匂い。あ、違いますよ。塚田チーフから生臭い匂いがするって言ってるんじゃないですよ。あくまでシャンプーの話です。フフッ」むらさきのスカートの女は笑ったが、塚田チーフは笑っていなかった。

2019年4月【拾った豆】まとめ


【目を大切に】
暗いところで絵を描いても、目が疲れるだけで、
そんなに視力落ちないけど
それより太陽の下で絵を描くほうが物凄く視力落ちるので注意!!
特に学校とかでやる
外でのスケッチやクロッキーは
影の中で描いてね!!!
目が焼けると視力戻らないって言われたよ

公共性が高いと判断して、日本雑誌協会から各社に届いた「5月1日即位で変わる天皇・皇族の呼称についての注意点」を要約し転載しておきます。

1)4/30午後5時から退位の儀式が宮中で行われるが、呼称が切り替わるのは5/1の午前零時から
2)「平成天皇」という呼称は諡(おくりな)なので絶対にNG



3)同様の理由で「令和天皇」も絶対NG
4)現在の天皇陛下→上皇、上皇陛下、明仁上皇、明仁上皇陛下
5)現在の皇后陛下→上皇后、上皇后陛下、美智子上皇后、美智子上皇后陛下、美智子さま
6)現在の皇太子さま→天皇、天皇陛下、徳仁天皇、徳仁天皇陛下、今上天皇



7)現在の皇太子妃→皇后、皇后陛下、雅子皇后、皇后陛下、雅子さま
8)現在の秋篠宮さま→皇嗣、皇嗣殿下
9)現在の秋篠宮妃→皇嗣妃、皇嗣妃殿下、紀子さま
(秋篠宮家の呼称については宮内庁でも検討中のところがあり、今後別の呼称が使われる可能性もあるそうです)














【引用元】

https://twitter.com/link_papa/status/1124108503201849346
https://twitter.com/tarareba722/status/1123161714088824832

2019年4月【Twitterで見掛けた素敵な言葉。】まとめ


朗報です。書類に消せないボールペンなどで「平成」と書きそうになった時、3画目までなら「令和」への修正が効くことを教えてもらいました。

付き合う前に確認するべき事項
・連絡頻度
・食べ物の好み
・お金に対する価値観
・性欲の強さ
・言語レベル

これらが合致していた方が付き合っている間のストレスが少なく、長続きしやすいです。お互いのことをよく知りもせず付き合うと上手くいかないのはこれらを確認していないからです。













【引用元】

https://twitter.com/Monyaizumi/status/1123557790671204352
https://twitter.com/jsmri510/status/1123594359599878144

プロフィール

雪男

Author:雪男
Unidentified Mysterious Animal協会東京支部に所属するルポライター。記憶の一部を喪失し、「Eコース」の診療を受けつけてくれる精神クリニックを探している。

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